ヒストグラム

CvHistogram

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class CvHistogram

多次元ヒストグラム.

CvHistogram は,関数 CreateHist によって作成される多次元ヒストグラムです.これは,ヒストグラムカウントを格納する CvMatND 型の ビン を持ちます.

CalcBackProject

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CalcBackProject(image, back_project, hist) → None

バックプロジェクションを計算します.

パラメタ:
  • image (sequence of IplImage) – 入力画像(CvMat** の形式で渡される場合もあります).
  • back_project (CvArr) – 入力画像と同じ型のバックプロジェクション画像.
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラム.

関数 cvCalcBackProject は,ヒストグラムのバックプロジェクションを求めます.この関数は,すべての入力画像(シングルチャンネル)上の同じ位置にあるピクセルのタプルに対して,そのタプルに対応したヒストグラムのビンの値を,出力画像のピクセル値としてセットします.統計学的には,出力画像の各ピクセル値は,与えられた分布(ヒストグラム)における観測タプルの出現確率であると言えます.例えば,画像中の赤い物体を見つけるためには,以下のような方法が考えられます:

  1. 画像にその物体だけが写っていると仮定し,その赤いオブジェクトの色相に関するヒストグラムを計算します.このヒストグラムは赤色に対して強い最大値を持つ傾向があります.
  2. ヒストグラムを利用し,物体を探索する画像の色相平面のバックプロジェクションを求めます.そして,その画像に閾値処理を施します.
  3. その結果画像から連結成分を探し,別の基準(例えば,最大の連結成分など)を利用して正しい成分を選択します.

これは,3番目のステップ以外は,Camshiftの色物体追跡器のアルゴリズムとほぼ同じです.Camshift追跡器では,この3番目のステップの代わりにCAMSHIFTアルゴリズムが用いられ,物体の前ステップでの位置が与えられると,バックプロジェクション上の物体の現在位置が求められます.

CalcBackProjectPatch

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CalcBackProjectPatch(images, dst, patch_size, hist, method, factor) → None

ヒストグラムを比較することで,画像中のテンプレート位置を求めます.

パラメタ:
  • images (sequence of IplImage) – 入力画像(CvMat** の形式で渡される場合もあります).
  • dst (CvArr) – 出力画像.
  • patch_size (CvSize) – 入力画像上を移動するパッチのサイズ.
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラム.
  • method (int) – 比較手法.この値は CompareHist に渡されます(この関数の説明を参照してください).
  • factor (float) – ヒストグラムの正規化係数.出力画像の正規化スケールに影響します.分からない場合には1を与えてください.

関数 cvCalcBackProjectPatch は,与えられたヒストグラムと,入力画像の一部分のヒストグラムとを比較することで,バックプロジェクションを計算します.配列 image は,ある画像のROIを様々な方法で評価した結果から構成されます.その評価結果には,色相, x 方向微分, y 方向微分,ラプラシアンフィルタ,Gaborフィルタなどが考えられます(1つでも構いません).各手法の評価出力は,個別に集められてそれぞれ別の画像となります.画像配列 image は,これらの評価画像の集合です.また,多次元ヒストグラム hist は,画像配列 image からサンプリングした結果です.最終的なヒストグラムは,正規化されます.また,ヒストグラム hist は,配列 image の要素数と同じだけの次元を持ちます.

新しい画像はまず評価され,そのROI全体が画像配列 image に変換されます.その部分的なヒストグラムは,以下の図にあるように,中心にアンカーを持つ「パッチ」と重なった部分にある画像 image から計算されます. hist と比較できるように,このヒストグラムは,パラメータ norm_factor を利用して正規化されます.求められたヒストグラムは,比較手法に method を指定した関数 cvCompareHist を利用して,モデルヒストグラム hist と比較されます.その出力結果は,確率画像 dst の,パッチのアンカーに対応する場所に格納されます.毎回パッチをずらして,最終的にROI全体に対して処理が終わるまで,これを繰り返します.ヒストグラムの反復更新は,パッチの端の重ならなくなった部分のピクセル値を引き,さらに新しく重なる部分のピクセル値を加えることで,大幅に処理を削減できます.しかし,まだこれは実装されていません.

パッチによる投影計算

_images/backprojectpatch.png

CalcHist

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CalcHist(image, hist, accumulate=0, mask=NULL) → None

画像のヒストグラムを求めます.

パラメタ:
  • image (sequence of IplImage) – 入力画像(CvMat** の形式で渡される場合もあります).
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラムへのポインタ.
  • accumulate (int) – 累積フラグ.これが指定されている場合,関数の最初でヒストグラムがクリアされません.これによって,複数の画像から1つのヒストグラムを計算したり,毎回ヒストグラムを更新したりすることができます.
  • mask (CvArr) – 処理マスク.入力画像のどのピクセルをカウントするかを決めます.

この関数は,1つあるいは複数のシングルチャンネル画像のヒストグラムを求めます.ヒストグラムのビンの値を増加させる入力タプルの要素は,対応する(複数の)入力画像の同じ位置から取り出されます.

CalcProbDensity

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CalcProbDensity(hist1, hist2, dst_hist, scale=255) → None

あるヒストグラムを別のヒストグラムで割ります.

パラメタ:
  • hist1 (CvHistogram) – 1 番目のヒストグラム(除数).
  • hist2 (CvHistogram) – 2 番目のヒストグラム.
  • dst_hist (CvHistogram) – 出力ヒストグラム.
  • scale (float) – 出力ヒストグラムに対するスケール係数.

この関数は,2つのヒストグラムから物体の確率密度を求めます:

\texttt{dist\_hist} (I)= \forkthree{0}{if $\texttt{hist1}(I)=0$}{\texttt{scale}}{if $\texttt{hist1}(I) \ne 0$ and $\texttt{hist2}(I) > \texttt{hist1}(I)$}{\frac{\texttt{hist2}(I) \cdot \texttt{scale}}{\texttt{hist1}(I)}}{if $\texttt{hist1}(I) \ne 0$ and $\texttt{hist2}(I) \le \texttt{hist1}(I)$}

出力ヒストグラムのビンの値は, scale 未満になります.

ClearHist

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ClearHist(hist) → None

ヒストグラムをクリアします.

パラメタ:hist (CvHistogram) – ヒストグラム.

この関数は,密な配列データをもつヒストグラムの場合はヒストグラムのすべてのビンの値を 0にし,疎な配列データを持つヒストグラムの場合はヒストグラムのすべてのビンを削除します.

CompareHist

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CompareHist(hist1, hist2, method) → float

2つの密なヒストグラムを比較します.

パラメタ:
  • hist1 (CvHistogram) – 1 番目の密なヒストグラム.
  • hist2 (CvHistogram) – 2 番目の密なヒストグラム.
  • method (int) –

    比較手法.以下のうちの1つ:

    • CV_COMP_CORREL 相関
    • CV_COMP_CHISQR カイ2乗
    • CV_COMP_INTERSECT 交差
    • CV_COMP_BHATTACHARYYA Bhattacharyya距離

この関数は,指定された手法を用いて2つの密なヒストグラムを比較します( H_1 は1番目のヒストグラムを, H_2 は2番目のヒストグラムを表します):

  • 相関 (method=CV_COMP_CORREL)

    d(H_1,H_2) =  \frac{\sum_I (H'_1(I) \cdot H'_2(I))}{\sqrt{\sum_I(H'_1(I)^2) \cdot \sum_I(H'_2(I)^2)}}

    ここで,

    H'_k(I) =  \frac{H_k(I) - 1}{N \cdot \sum_J H_k(J)}

    です.N はヒストグラムのビン数を表します.

  • カイ2乗 (method=CV_COMP_CHISQR)

    d(H_1,H_2) =  \sum _I  \frac{(H_1(I)-H_2(I))^2}{H_1(I)+H_2(I)}

  • 交差 (method=CV_COMP_INTERSECT)

    d(H_1,H_2) =  \sum _I  \min (H_1(I), H_2(I))

  • Bhattacharyya距離 (method=CV_COMP_BHATTACHARYYA)

    d(H_1,H_2) =  \sqrt{1 - \sum_I \frac{\sqrt{H_1(I) \cdot H_2(I)}}{ \sqrt{ \sum_I H_1(I) \cdot \sum_I H_2(I) }}}

この関数は, d(H_1, H_2) を返します.

注意:手法 CV_COMP_BHATTACHARYYA は,正規化されたヒストグラムでのみ動作します.

疎なヒストグラム,あるいはより一般的な構造である重み付き点群などを比較するためには,関数 CalcEMD2 の利用を検討してください.

CreateHist

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CreateHist(dims, type, ranges, uniform = 1) → hist

ヒストグラムを作成します.

パラメタ:
  • dims (sequence of int) – N次元ヒストグラムに対して,各次元のサイズを与える長さNのリスト.
  • type (int) – ヒストグラム表現フォーマット: CV_HIST_ARRAY は,ヒストグラムのデータが密な多次元配列 CvMatND で表現される事を意味します.また CV_HIST_SPARSE は,ヒストグラムのデータが疎な多次元配列 CvSparseMat で表される事を意味します.
  • ranges (list of tuples of ints) – ヒストグラムのビンの範囲を示す配列.これの意味は,パラメータ uniform の値に依存します.これらの範囲は,ヒストグラムが計算される際や,どのヒストグラムのビンが入力画像中のどの値(あるいは,値のタプル)に対応するかを決定するバックプロジェクションの際に利用されます.
  • uniform (int) – 一様性を示すフラグ.これが0ではない場合,ヒストグラムは等間隔のビンをもち, ranges[i] 0<=i<cDims は2つの値,つまりヒストグラムのi番目の次元の下限値と上限値,からなる配列となります.そして,範囲全体 [lower, upper] が dims[i] 個に等分割され,それぞれのヒストグラムビンに対する i 番目の入力タプル値の範囲が決まります. uniform=0 の場合, ranges 配列の i 番目の 要素は,次のような dims[i]+1 個の要素を含みます: \texttt{lower}_0, \texttt{upper}_0,
\texttt{lower}_1, \texttt{upper}_1 = \texttt{lower}_2,
...
\texttt{upper}_{dims[i]-1} ここで, \texttt{lower}_j\texttt{upper}_j はそれぞれ, j 番目のビンに対する i 番目の入力タプル値の下限および上限です.どちらの場合でも,ヒストグラムビンの指定範囲を超えるような入力値は, CalcHist ではカウントされず, CalcBackProject では0で埋められます.

この関数は,指定されたサイズのヒストグラムを作成し,そのポインタを返します.配列 ranges が0の場合,後で関数 SetHistBinRanges によってヒストグラムのビンの範囲を指定しなければいけません.関数 CalcHist および CalcBackProject は,ビンの範囲を指定せずに 8 ビット画像を処理しますが,これは 0 から 255 までの等間隔のビンを仮定します.

GetMinMaxHistValue

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GetMinMaxHistValue(hist)-> (min_value, max_value, min_idx, max_idx)

最小値を持つビン,および最大値を持つビンを求めます.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラムへのポインタ.
  • min_value (CvScalar) – ヒストグラムの最小値.
  • max_value (CvScalar) – ヒストグラムの最大値.
  • min_idx (sequence of int) – 最小値の座標.
  • max_idx (sequence of int) – 最大値の座標.

この関数は,最小値を持つビン,および最大値を持つビンとそれぞれの位置を求めます.出力に利用されるすべての引数は,オプションです.最小値や最大値が同値で複数存在する場合,(辞書順に並べた場合の)最小のインデックスを持つものが返されます.

NormalizeHist

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NormalizeHist(hist, factor) → None

ヒストグラムを正規化します.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラムへのポインタ.
  • factor (float) – 正規化ファクタ.

この関数は,ビンの値の合計が factor と等しくなるようにスケーリングを行うことで,ヒストグラムのビンの正規化を行います.

QueryHistValue_1D

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QueryHistValue_1D(hist, idx0) → float

1次元ヒストグラムビンの値を返します.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラムへのポインタ.
  • idx0 (int) – ビンのインデックス0.

QueryHistValue_2D

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QueryHistValue_2D(hist, idx0, idx1) → float

2次元ヒストグラムのビンの値を返します.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラム.
  • idx0 (int) – ビンのインデックス0.
  • idx1 (int) – ビンのインデックス1

.}

QueryHistValue_3D

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QueryHistValue_3D(hist, idx0, idx1, idx2) → float

3次元ヒストグラムのビンの値を返します.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラム.
  • idx0 (int) – ビンのインデックス0.
  • idx1 (int) – ビンのインデックス1.
  • idx2 (int) – ビンのインデックス2.

QueryHistValue_nD

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QueryHistValue_nD(hist, idx) → float

n次元ヒストグラムのビンの値を返します.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラム.
  • idx (sequence of int) – インデックスのリスト.この長さは,ヒストグラムのビンの次元と同じです.

ThreshHist

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ThreshHist(hist, threshold) → None

ヒストグラムの閾値処理を行います.

パラメタ:
  • hist (CvHistogram) – ヒストグラムへのポインタ.
  • threshold (float) – 閾値レベル.

この関数は,指定した閾値以下のビンをクリアします.